2008/4/21 月曜日

日本顕微鏡歯科学会

Filed under: 雑記, 顕微鏡治療 — takenaka @ 12:30:02

今年は昨日、一昨日と横浜で開催されました。

わたしも会員であるので参加して、いろいろと勉強してきました。

ぶっちゃけ、まだまだマイナーな学会で、そもそも顕微鏡歯科・・と言いますかマイクロスコープ(顕微鏡)を利用した歯科治療などは日本でも世界でも極々一部の歯科医師に認知されているだけ・・という現状です。 しかし、さすが米国では10年ほど前から、歯の根の「神経」の治療を専門に扱う歯科医に対して、マイクロスコープ取り扱いの教育が「義務」付けられるようになった、という事です。

このマイクロスコープを歯科治療に利用していくことの効果は「絶大」で、自分自身の臨床の中でも今や、なくてはならない「道具」となっています。

しかし、現在の日本の歯科治療の現場では顕微鏡どころか、拡大ルーペーすら使われてはいません。

ふつう、拡大ルーペでは倍率2.5~4倍くらい。 一方マイクロスコープでは10~20倍、さらにそれ以上も可能となります。

人間の裸眼で対象物を見た状態を「1」、とすると10倍の拡大率で見た時の情報量は10倍に上がるのではなく、実に「100倍」にまで向上します。 このように非常に精密な治療効果の期待できる「顕微鏡治療(マイクロ・デンティストリー)」ではありますが、その分当然手間隙も倍増してしまう、と言うわけです  (>_<) 。

2008/4/3 木曜日

キーワードは「接着」!

Filed under: 雑記, 審美歯科治療 — takenaka @ 20:14:10

歯科の治療では金属で作られた被せ物(クラウン)を被せたり、ムシ歯治療の銀歯を埋めたりする時に「セメント」と呼ばれる合着剤を使います。

ただ、従来から長く用いられてきた通常のセメントでは、治療に使う材料と歯とを「接着」させることが出来ませんでした。ただ外れたり、落っこちてこないように「固定」するだけの性能しか無かったのです。

ところが近年では「接着性セメント」というものが開発されてムシ歯治療に使う材料と歯とを、本当に接着させることが可能となってきました。

えっ? ソレがそれほど大した事なの?? と思われるかも知れません。

そうなんです、これは実はとってもタイヘンでまた、有り難いことでもあるんです。 と言うのも、今までの歯科治療の「失敗」はこの接着が出来なかったと言う理由によるものがかなりの比率を占めていたからなのです。

従来からの古典的?なセメントではただ単に「歯との隙間」を埋めていただけなので、長年の間には口の中の唾液などの水分で少しづつセメントが溶け出して、そこに出来たわずかな目には見えないようなギャップに細菌の感染が起こって、二次的なムシ歯が発生してしまっていたのでした。

あるいはまた、日常的に働く、「かみ合わせのチカラ」などでも部分的にセメントの剥離が生じて、そこからムシ歯の再発を見ることも非常に多かったのです。

このような場合には、高性能の「接着性セメント」を使うことによりムシ歯再発の危険性を大幅に少なくすることが出来ます。

しかし、この時に一番接着性セメントの性能を発揮出来るのは、「歯とセラミック」、あるいは「歯とレジン」という組み合わせで、金属材料との相性はやはり、あまり良くはありません。

例えば、ムシ歯の治療で出来てしまった穴をセラミックの材料で埋めようとした時に、通常のセメントで固定しようとしても絶対に不可能で、二・三回、ガチガチ・・と咬めばたちまち割れて粉々になってしまいます。

しかし、歯の表面と接着の出来るセメントを使えばセラミックの詰め物は、歯と「一体化」して、驚くほどの強度を発揮するのです。

また、レジンと呼ばれる材料で作られた詰め物(インレー)をはめ込む時にも同様にこの接着性セメントは威力を発揮してくれます。

もともと接着性のセメントというものは「レジン」の一種でもあるのでとても相性がいいのです。

今では非常に沢山の種類の「接着性セメント」が売られているので、どれを選ぶかも一苦労ですが、大切な事は今までのような「物理的な材料」ではなくて「化学的な材料」なので、なによりも接着の「操作・手順」というものがとても大切になってきます。

厳密に丁寧に製品のマニュアルに従う事が大事で、適当な事をしてしまったら本来の性能を示す事が出来ません。

そんな中で、厳密な接着操作を行う時にも当院のマイクロスコープはとても重宝しています。 接着させたいと思う歯の一部分を顕微鏡で拡大して覗いてみると、その表面がとても汚染されている事がわかったりします。目でみているだけだと充分にキレイになっていても油断は出来ません。汚れの残っている部分とは完全には接着が出来ないからです。

そんな時には再度、改めて表面をキレイにしなおしてから接着に入ります。

そうすると、これがまた・・・なかなかエエ具合なのです。 唯一の問題は操作手順が煩雑なので、少々時間がかかってしまう・・ということでしょうか。

2008/3/13 木曜日

これはいいかも・・

Filed under: 審美歯科治療 — takenaka @ 19:37:33

先日、と・ある歯科関係の業者さんのショウルームを訪れる機会がありました。

実は目下、当医院で導入を検討しているCTスキャンの性能を確かめるのが目的であったのですが、その時にフト目にした「器械」・・。

オール・セラミックのインレー(詰め物)やクラウン(被せ物・・・”被り物”ではない)をコンピュータ制御の3DのCAD/CAMを利用して、なんとその場で「作製」してしまう器械です。

「その場で」・・というのは通常、虫歯の治療では初期の小さな虫歯以外は、「歯型取り」をして石膏模型を作ってから歯科技工士さんにお願いして穴を埋める銀歯などを作って頂いて、ソレを患者さんにセットする・・という手順になります。   普通は1週間くらいの日程を見込むことが多いのですが・・・。

なんとソレが僅か15~20分ぐらいの間に自動的に出来上がるのです!

これは、歯型を取る代わりに特殊なカメラで虫歯治療のために削った「穴」を撮影し、その情報をコンピュータが三次元データに再構成を行って立体的な「修復物=セラミック・インレーやクラウン」をイメージし、その通りのモノを機械が作り出す・・という仕掛けになっています。 セレック3(スリー)と言います。

メーカーさんの方では必要にして充分以上の「精度」が有るとの事でしたが、そのあたりは今後しっかりと確かめてみたいと思います。

この「セレック」シリーズ、かなり前から知ってはいたのですが、初期のものはどうも実用性に問題があり、多分に「実験機」的な感じがしていてあまり興味は持てなかったのですけれど、この最新機種はかなりの期待が持てそうで何かウズウズしてしまいます。 ・・・欲しい・カモ、です。でも、値段は1000万円・・ううっ、、(笑)。

 

2008/3/6 木曜日

歯科インプラントの今

Filed under: インプラント治療 — takenaka @ 20:07:57

インプラントによる歯科治療は現在、当医院で最もチカラを入れている分野です。

21世紀に入ってからのインプラントは歯科治療の方法の一つとして、ほぼ「完成」されたと言っても良いのではないでしょうか。

ところが、人の身体の中に「チタン」などの金属材料を埋め込む事に対して抵抗を感じられる歯科の先生方がおられる事もまた事実です。

ここで、タイトルにわざわざ「歯科」と入れたのは、実はインプラントと言うものは歯科だけではなく他の医療分野、とりわけ整形外科などにおいても従来から頻繁に行われている技術の一つでもあると言う事なのです。

「人工股関節」などを身体に埋め込む事もインプラント、と言いますし骨を固定する金属ボルトなどもインプラント材料と言って良いでしょう。

ただ一つ、決定的に異なるのは他の医療分野でのインプラント材料は「完全に」身体の中に埋め込まれるのに対して、歯科のインプラントはその一部分が口の中に「露出」しているという点です。 これは「感染」という問題に対しての弱点の一つでもあります。

しかし、このことによってはじめて、そのインプラントの上に人工の「歯」を被せる事が出来て、咬めるようになるので、如何ともしがたい事なのですがインプラント治療にあまり賛成されない先生方からは懸念の的となっているようです。

インプラントを利用した治療がその歯科医院の「総合力」を問われるというのも実はこの点にあります。手術の上手な歯科医師が鮮やかにインプラントを埋め込む・・というだけではこの治療は上手くいきません。

一般的な歯科治療全てに対しての幅広い技術や知識が要求されます。しかし、そのような条件が整えば非常に信頼性の高い治療方法であるとも言えるでしょう。

昔と比べてインプラント材料自体の進歩や、コンピュータ支援による手術法の精度が向上した事などにより適応症例も拡がってきています。わたしがインプラントを勉強し始めた1980年代から考えると夢のようです。

昔は埋め込んだインプラントが顎の骨と上手くっつくかどうか、どれくらい長持ちしてくれるかどうか、が歯科医にとっても患者さんにとっても一番の「関心事」であったのですが、今ではインプラントの上にどれくらい自然で美しい被せ物による「修復」が出来るかどうか・・あるいは手術の後どれくらい早期に歯が入るのかどうか・・ということに関心が移ってきています。

そして条件さえ整えば、抜歯と同時にインプラントを埋め込み、さらにその日のうちに「歯が入る」・・というくらいにまで進化してきたのが現代の「インプラント治療」の姿なのです。

2008/3/3 月曜日

歯周内科治療

Filed under: 歯周病治療 — takenaka @ 13:58:11

まだあまり聞きなれない「歯周内科」というこの言葉。

別に、歯周病を「内科」の先生にお願いして治して頂く・・というハナシではありません。

今までから、また今現在でも歯周病治療の「主流」はいわゆる歯ブラシを用いた「プラークコントロール」と歯科医師や歯科衛生士による歯石除去、歯周ポケットや歯の根のクリーニングなどが主なもの、でした。 重症例に対しては歯周外科の手術もかなり行われております。

このような治療は歯周病治療に熱心に取り組んでいる全国の、いや世界中の歯科医院で行われている、もっとも「標準的」な治療の方法だと考えられます。

歯科医院に行って治療のために「歯ブラシ」を教わったり、丁寧に「歯石」を取ってもらったりした皆さんも多いことだと思います。 もちろんわたしの歯科医院でもそうでした。・・・但し、少し以前までは。

実際、このような治療を真面目に続け、必要な手術等も併用すると歯周病は確かに「治り」ます。

しかし問題は、症状によってはかなり長期の時間がかかってしまう事。患者さんにも手術など、かなりの努力を強いらなければならない事。そして一番の問題は、一度良くなっても数年の後に「再発」を起こしてしまう場合も多い・・・。

このような事からあまり熱心な治療を行わずに「歯磨き指導」や「簡単な歯石除去」だけで「様子を見て」しまう歯科医も少なくはありません。

ところが今世紀に入って、先進的な日本の歯科医らによって「歯周病治療」が大きな転機を迎えつつあります。

従来から歯周病は「歯周病菌」によって引き起こされる「感染症」であることは分かっていたのです。つまり歯周病を患っている患者さんのお口の中には沢山の「歯周病菌」が居る! ということです。

ところが今までの治療では、根本的な原因である「細菌」のコトをあまりにも軽視してきたきらいがあります。

例えば、胃潰瘍の患者さんには「ピロリ菌」という細菌が関係している、という事でクスリを使って胃の中から菌がいなくなる様に「除菌」しますが、歯周病の治療にも同じ考え方で取り組んでいくのが「歯周内科」治療と呼ばれるものなのです。

歯周病患者さんのお口の中のプラークなどをサンプルとして「位相差顕微鏡」と言うもので調べ、どのような菌が多くいるかを調べて、その状態に合わせたお薬を用いて、「除菌」してしまうという考え方です。

今までは、そのような「細菌」のコトを考えずに歯磨き指導をしたり、歯石のお掃除を繰り返していたのです。

かんがえてみれば、原因菌がそのまま残っているのですから「再発」もある意味当たり前のコトだったのかも知れません。もちろん、歯磨きや治療によって菌の「数」は少なくなったので、抵抗力のある患者さんは「治った」のだろうと言うコトかも知れません。

歯周内科治療は非常に効果があります。そしてなにより患者さんの労力が非常に楽になります。

今までの外科処置が中心の治療から「細菌検査」と「クスリ」が中心の内科的治療に変わりつつあります。それが当院でも行っている「歯周内科治療」と呼ばれるものなのです。

 

 

 

2008/2/28 木曜日

ブログ、始まります!

Filed under: 雑記 — takenaka @ 13:46:23

はじめまして、パール歯科医院のたけなかです。

ようやく準備整いまして、これからこのブログの中でいろいろと情報発信をして行きたいと思いマス。

インターネットの普及で様々な「情報」に手軽にアクセス出来るようになってきたので、昔ではホンマに「ブラック・ボックス」状態?であった歯科医療の内容や話題についてもかなりオープンになってきた感はあります。

しかしながら、自分が患者さんの「目線」に立ってそれらの情報を眺めてみた時に、必ずしも全てがすべて、本当のコトを語っているのかと考えてみるとそこには、「これはちょっとおかしいのではないか・・?」とか、「ソレは嘘やろ・・」 とか思ってしまう情報も少なくはありません。

ただ、テキスト=記事 として、あるいはTVなどのメディアでそれらを見聞きした患者さんはやはり単純に信じてしまう傾向もあるために時々ハナシがややこしくなったりもします。

そのような部分にも配慮しながら今、歯科の治療で何が出来て何が出来ないか。また、さまざまな治療の場面ではどのような事が行われているのか、そしてソレは正しい事なのかあるいはそうでもないのか?

そんな話題を中心に、個人的ないろいろな雑感をも交えてながら進めて行きたいと思っています。

 

 

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