2008/5/27 火曜日

歯の神経の治療

Filed under: 雑記, 歯内療法 — takenaka @ 13:59:31

これはもう、「神経を抜かないといけませんねぇ」・・・。。

歯の痛みに耐えかねて、思い切って駆け込んだ歯医者からこんなふうに言われた経験のある方も多いのではないですか??

虫歯の進行に気が付かず、つい、放置してしまった結果このような「抜髄」処置を受けなくてはならないことがあります。

抜髄(ばつずい)・・というのは歯の内部にある「歯髄組織」を取り除いてしまう処置のコトですが、神経だけではなく毛細血管もリンパ管も細胞もすべてを含みます。 まぁ、分かりやすいように「神経」と言っているだけで・・。

で、この神経も「エビの背ワタ」のように、引っ張って「抜ける」と言うものではありません(笑)。 ほとんどの場合は治療器具を使って「挫滅」させるようなカタチで取り除きます。 これは日本中の歯科医院でごく「平凡」に毎日のように行われている治療でありますが、実はものすごく「難しい」治療の一つでもあります。

歯の神経を抜いた後、治療の最終的な段階までにいろいろなステップがあるのですが、その部分も含めて全てが難しいです。

では、それほど「難しい」治療がどうして日常的な流れの中で、頻繁に行われているかと言うと「難しい事を考えずに」やっているからです。・・・とりあえず大体の神経(歯髄)の部分を取り除けば痛みは消えます。

そして、とりあえず治療を進めていけば何回か後には「歯型」を取って新しい歯を入れる事も出来るようになります。 そして、とりあえず歯医者通いも終わります。 患者さんにとってその場で痛みが無くなる・・ということはうれしい事で、その時には5年先、10年先などのコトは余り考えないものです。

今の日本の「この治療」はこのような事情の上に成り立っています。・・・後のコトはまぁ、その時に考えよう、と。 さらに、どうも見ていると日本の歯医者さんは、あまりこの治療が好きでは無いらしいのです。

というわけで、本来とっても難しくタイヘンな治療はあまり難しく「考えない」コトにして、毎日行われているようです。 もっとも、そうでも考えないとそうそう毎日、毎日続けてやっていけるものでも無いのかもしれません。

だ・け・ど・・・

この治療は「ちゃんと・しっかり」やっておかないと後々とんでもない事になります。 本来、歯を抜かずに長持ちをさせるための治療であるのに、この治療を受けたおかげで逆に歯を抜かなければならなくなる・・ということも珍しくはありません。 ただ、その「時期」が治療後かなりの年月を経てから・・という事情があるので患者さんの側では「ものごとの因果関係」がまったく分からないのですね。

残念なコトに、歯科医院に行ってそこのセンセイに、「神経の治療」はちゃんとしっかりやってくれよ!・・と言ったところであまり効果は無いでしょう。 何故ならほとんど大多数のセンセイは・・・(いや、怒られるの嫌だから)・・大多数じゃなく、半分くらいのセンセイ方はもともとこの治療、好きじゃないし、何より普段からあまり難しく考えないでやっておりますので、急に「難しく」考えるコトも出来ません。

わたしは思うのですが、日本の「厚生労働省」も歯医者の看板に書く「科目」の中にどうして、「歯の神経の治療専門(歯内療法専門医)」・・とか、「入れ歯専門」とかを認めてくれないのか少し不思議です。

お医者さんの方はあんなに覚え切れないくらいに細分化されているのに歯科の方では「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科・口腔外科」・・の4つしか認められていないのですよ。

・・・だけど、コレは実は「お上」の非常に優しいご配慮?? なのかもしれないと思ったりするのはわたしの考え過ぎ、なのかなぁ。。 どうなんやろ・・?

2008/5/20 火曜日

インプラント素材(材料)の違い

Filed under: 雑記, インプラント治療 — takenaka @ 16:22:12

生体材料である「インプラント」は基本的に、「チタニウム(チタン)」で出来ています。

現在市販されているものは各社、様々な工夫がなされていますがおおまかにインプラント体の表面が骨の中に埋まる部分も含めてチタンだけで構成されるものと、埋まる部分の表面にHA(ハイドロキシアパタイト)のコーティングが行われているものとの2種類に大別出来ます。

チタンだけで出来たいわゆる「チタン系」のインプラントはおそらく現在、もっともシェアが大きいのではないかと思われますが、昨今HAコーティングがなされた「HA系」のインプラントが大きく躍進してきています。

一般的に、「正統派」と見なされているチタン系のインプラントは長年にわたり非常に良好な成績を残し、「オステオインテグレーション」と呼ばれるインプラント体と顎の骨との「完全な結合」が得られる素材として世界中の歯科医に支持されています。

一方HA系のインプラントは、表面にコーティングされたハイドロキシアパタイトに「骨を作り出す」、正確には骨伝導能力が備わっている・・というコトが大きな特徴です。

これは、インプラント手術を行った時に顎の骨の状態が悪くて、インプラント自体をキッチリと固定出来ないような悪条件の時にも、埋め込まれたインプラント体自らがその周囲に「骨を作り出す」チカラを持っている・・と言う事で、チタン系のインプラントには無い大きな特徴です。

もちろん最適な条件で手術が終わった時にも、例えばチタン系のインプラントが半年近く待たないと「歯を入れる」事が出来ないのに対して、HA系では最短、1ヶ月、長くても3ヶ月待てば歯が入る・・という利便性を持っています。

ただ慎重な歯科医の中には、骨と強く結合してる表面の「コーティング層」が長い年月の間に、インプラント表面から剥離してしまうのではないか・・、そして、その事でインプラント治療が失敗してしまうのではないかと心配をしている人たちもいます。 事実、少し以前に設計されたHAインプラントにはそのような製品もあり、信頼性を損ねてしまったことがあったのも事実です。 が、現在市場に出ているものは、当時とは異なった非常に優れた加工がされていますのでご心配には及びません。

2008/5/15 木曜日

定期健診ってなんだろう?

Filed under: 雑記, 予防歯科 — takenaka @ 12:56:04

我われの世界でも、「予防歯科、定期健診」と言う言葉はかなり一般的になってきました。

当院の患者さんの中でも、定期的なチェックのためだけに来院頂いている方も多くなってきています。

ただ時々、アレッ・・と思うのは、なんだか「定期的に」来院していれば、それで全てが「大丈夫」と勘違いをされておられる方もいるのではないかな?と案じる時です。

私たち歯科医の扱う、歯を中心とした口腔内の健康状態は様々な原因や因子により変動いたします。定期的な検査はそのようなことに配慮して、例えば新しいムシ歯が出来てしまわないように・・とか、歯周病が悪化していかないように・・などという側面から専門家の立場として色々なアドヴァイスや指導をさせて頂ければ、という趣旨のものなんです。

ところが、そのような本当の意味での「予防的」な部分にはあまり興味を示さずに、なんだか半年間の間に出来たムシ歯を「まとめて」治療するチャンス・・だと考えておられる方もいるようです。

患者さんの日常の生活習慣やメインテナンスの状況が好ましいものでなければ、当然口腔内の状況も良くはならないので、時間がたてば新たなムシ歯が出来てしまったりするのは当然なんですが、それを見つけて、治療するのが「定期健診」だと誤解してしまっているのですね。

また、同業の歯医者の中にも定期管理の名のもとに、初期の小さなムシ歯を見つけては、せっせと歯を削って「治療」を行っておられるセンセイもおられるようです(何か、「会員制ムシ歯クラブ」・・みたいな?)。

ほんとうに皆様に申し上げたい。

歯は削っちゃダメだ。  削れば削るほど、歯はダメになっていきます。 まぁ、今までの間に何らかの治療がなされていて、それの「やり直し」とか既に大きなムシ歯にかかってしまっていて、どうあがいても治療の為に削らなければならないとかという場面もあるのですが、その時でも出来るだけ少ない削除量で済ませられるような治療方法を考えていく事が大切だと思います。

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