2008/7/19 土曜日

歯周内科 クスリで治す歯周病

Filed under: 歯周病治療 — takenaka @ 14:37:34

「歯周内科」、というのは新しい言葉・・というか”造語”で、まぁとりあえずこう呼んでおこうか、というようなものです。

もともと程度の差はあれ、歯周病の治療には外科的な侵襲(しんしゅう)が必要とされてきました。と言うより今でもほとんどがそうなっています。

局所麻酔を使ってのポケット内のソウハとか歯周外科治療などです。そのような意味合いに対しての穏やかな「内科的」治療・・という意味だと捉えてよいでしょう。

さて、患者さんには案外と意外かも知れないですが、私たち歯医者は今までからどのように歯周病というものの「診断」を行ってきたのでしょうか?

なんの事はない、ただ患者さんのお口の中を診て歯肉の状態や歯並び、ブラッシングの様子、かみ合わせなどの具合を頭に入れてレントゲン写真を読む・・という単純なものです。もちろんそこには全身的な病歴やご家族のそれも含めて考えてはいます。

検査と呼べるものは唯一レントゲンとポケットの深さを丁寧に調べる事、くらいではないかな、と思います。

歯周病というものはかみ合わせの問題や、喫煙習慣を別とすれば、概ね「歯周病菌」という悪いヤツラがポケット周辺を中心とした歯肉に集まってきてプラークと言うバイオフィルムを形成して自分たちの身を守りながらじわじわと菌体毒素を作り出して廻りの組織を破壊していく病気である、すなわち歯周病菌による「感染症」であると捉えられています。

確かにその通り。

で、治療は歯ブラシを使いプラークを取り除き、深いポケット内部は歯ブラシの変わりに歯科医や歯科衛生士が手作業でクリーニングを繰り返す・・という手法が取られているわけです。

「歯周病」というものを診断する時点で、大きな声では「検査」などとはちょっと言えない様な資料を見て、患者さんのブラッシングと歯医者らの手作業で原因菌を取り除き、病気を完治させる・・ということが果たして可能なんだろうか?

一般的な他の分野のお医者さんも、やはり同じように考えるのだろうか?

確かに事故や外傷で汚染された挫滅創をデブライドメント(郭清)することはあるだろうけど歯周ポケット内も同じようにとらえるのだろうか? そしてその後はどう処置するのだろか? 水で洗うだけか? その後の二次的な感染予防はどう考えているのだろう? もしそれが外傷ではなく「感染症」であるなら彼らはどのように対処するんだろうか?

・・・普通に考えればまず、「原因菌」は何か?とは考えないか・・。

そしてもし「感染症」であるならば、病態を改善する為には第一にその「原因菌」がソコ、に居続けてはマズイとは考えないだろうか?

ところが一方、歯医者のほうはどうやらあまり、そうは「考えていない」ようなのです。

とりあえず歯科医や歯科衛生士の目は「歯周病菌」ではなく「プラーク」に向けられているようです。

プラーク付着0(ゼロ)を目指して、効果的な歯ブラシの方法を模索し、歯肉縁上や歯肉縁下(ポケット内部)のプラークを取り除く事に自分たちと患者との意識を集中させるのです。

もちろんそれが「意味の無い事、悪い事」であるとは決して言いません。大切な事です。

ですが、自分が治療しようとしている歯周病患者の深いポケットの奥底に、一体どれほどの数の「歯周病菌」が棲息しているかということを今現在もほとんどの歯科医や歯科衛生士がその目で見たことも確認した事も、想像したこともなく手を動かしている・・ということが問題なのだと思います。

だから、「治らない」のです。

歯周内科治療、という取り組みはこれらの事に対しての一つのアンチ・テーゼではないかと考えます。

 

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